プロフィール
宮澤賢史
宮澤医院 栄養外来担当医師
臨床分子栄養医学研究会 代表
医科歯科連携診療普及協会 会長
問診事項と多くの血液、尿、唾液検査などにより疾患の原因を追究し、その原因に対する根本治療を行っている。
2001年から栄養療法を開始 ライナスポーリング博士の提唱する分子整合栄養医学を医療に取り入れた観点からの医療を展開。
がんから糖尿病、リウマチ、精神疾患まで扱う範囲は幅広く、20000人以上に対して栄養療法の診療、データ解析、監修を行ってきた。
2004年からビタミンC静脈注射治療を開始
2007年 高濃度ビタミンC点滴療法学会を設立
2012年 分子栄養学実践講座開始
医科歯科連携診療普及協会設立
2015年 臨床分子栄養医学研究会発足
2012年9月より 分子栄養学講座主催(現在までに累計24回終了、参加人数は700人以上)
2011年より 高濃度ビタミンC点滴療法学会 認定医試験 主任講師
2012年より 医科歯科連携診療普及協会認定 キレーションセミナー講師
外来診療の傍らで年間20本の講演会をこなす、分子栄養学、高濃度ビタミンC療法のパイオニア的存在。
栄養状態を見極め、単に足りないサプリメントを処方するのではなく、
「なぜ、その栄養素が足りないのか?」
を徹底的に追求する「根本治療外来」を提唱している。
「栄養素を大量に使う分子栄養学で治療を行うことは健康増進のためにサプリメントを飲む事とは根本的に意味が違います。
一般のサプリメントは、栄養の推奨量を食事で満たせていない人が、栄養欠乏を補うために摂取するものです。
それに対して、分子栄養学に基づいた栄養療法は、分子の働きを正常化するという医学的な目的のために、サプリメントを薬として使う方法論なのです。
この治療の一番難しいところは、サプリメントの必要量が人によって大きく違うところです。
サプリメントは薬と違って副作用がないと思っている人が多いが、そんなことはありません。
効果的な量と副作用を起こす量を考え、最適量を試行錯誤しながら決めていかなくてはなりません。
その際に参考となるのが、バイオロジカル検査です。
とった栄養素は体内で酵素や補酵素として働くので、それらの量を測定すれば、どの栄養素が足りていて、どれが足りないかを推測することができます。
しかし、検査は万能ではありません。
例えば、ビタミンB群酵素活性は常にビタミンBの体内量を反映するわけではないし、フェリチンなど、体内の炎症やその他の状況(つまり血液検査本来の意義)で大きく左右されるものもあります。
また、血液検査は細胞外液検査であり、細胞内の情報量は乏しいのです。
そのようなデータに表れない情報を全く読み取らずに、表面上の数字だけを追って栄養が処方されると、その人に対しての治療の意図は全く反映されないものになってしまいます。
栄養療法は即効性において薬物療法には多少劣るものの、通常1-3ヶ月で最初の効果が表れます。
半年以上何の回復の兆しもないのであれば、それは栄養欠損以外に原因があるか、栄養療法の効率を邪魔しているものがあるかのどちらかと考えられます。
ほとんどの場合、それがその病態の根本原因となっています。
特に高齢の方になればなるほど、単にサプリメントを摂るだけではすんなりうまくいかないのが実情です。
現在私は、そのような根本原因をみつけて、それに対してのアプローチを行う治療法にシフトをして以来、より多くの成果を挙げられるようになりました。
この方法がうまくいくかは、「どんな栄養素をどうやって使用するか」にとらわれている思考をいかに開放するかにかかっています。」